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WCRC

コーヒーチャンピオンズトーク in 渋谷100BANCH ~World Roasting Championship 2018”準優勝仲村 良行さん凱旋報告会~

2019年04月30日

2019年3月19日、東京都渋谷区にあるPanasonic『未来をつくる実験区、100BANCH』にて「コーヒーチャンピオンズトーク」が開催され、2019年1月にイタリアで行われた焙煎世界大会”World Roasting Championship 2018”において、見事準優勝を果たした焙煎士の仲村良行さん(豆ポレポレ)の報告会が行われました。
「コーヒーチャンピオンズトーク」はパナソニックが日本発信のネクスト・ウェーブ・コーヒーのトレンド創造を目指して、生産者やロースター(焙煎士)、バリスタなど、コーヒーに関わる各界のプロフェッショナルにご協力いただき、コーヒー産業の育成支援と、その文化を広める活動を目的とした「コーヒーアイランドジャパンプロジェクト」の一環で主催しているイベントで、福岡、新潟と続き、第3回目は東京での開催となりました。焙煎士やバリスタ等、コーヒー業界の方々や、コーヒー愛好家が全国から集結し、白熱したトークイベントとなりました。

The Roast

Panasonic 「The Roast」

World Roasting Championship2018準優勝までの軌跡

2017年度のJCRC(ジャパンロースティングチャンピオンシップ)で優勝し、日本チャンピオンになってから、世界大会出場までの道のりについて、スライドや映像を交えながら順を追って語っていただきました。まずは、初めて参加した、台湾で行われた大会について。
ここでは、各国の代表が集まり世界大会と同じようにギーセン(Giesen)社の焙煎機を使用し、焙煎技術を競いました。この大会に出場して感じた事は、
・コーヒー飲みながら、皆で様々な情報を開示し、良い情報をシェアし合っている
・出場者の焙煎プロファイルを互いに見る事ができ、焙煎士にその場で質問するなど学びの場となっている
『結果としては3位以内には入らなかったですが、各国の出場者の焙煎に対する向き合い方や考え方をシェアすることで、自分自身の味がどうあるべきかを考えるきっかけとなりました。』と仲村さん。

①”WORLD COFFEE ROASTING CHAMPIONSHIP2017 広州”視察

次に仲村さんは翌年出場する”WORLD COFFEE ROASTING CHAMPIONSHIP”の大会の様子を肌で感じるため、”WORLD COFFEE ROASTING CHAMPIONSHIP2017 広州”の視察を行いました。日本代表としての出場者はJCRC2016優勝者の近藤啓さん(いつか珈琲屋)でした。他国から視察に来ていた参加者は、競技者とそのサポートをするメンバーが一つのチームになり、次年度の世界大会に向けた戦略を立てるため情報を集めていました。”これはマズイな”とチームを組んで出場していない日本との違いを実感したそうです。
実際に大会の現場を見学し、ブラインドではあったものの世界大会出場者のコーヒーをその場で飲んで確認できたことは、仲村さんにとって大きな経験となったそうです。
『抽出してどのくらいのレベルのものが世界大会で出されているのか分かり、自分の向かう方向性がぼんやりだけど見え始めた。かつ、出場していた国々の人たちが自分のお店で焙煎していたもの持ってきて飲んだりすることで、世界や地域の流行りやトレンドを知る良いきっかけになりました。この視察で、味の方向性をどうしよう!というのをどんどん意識するのと同時に、自分だったら競技中のオペレーションをどういうワークフローにするかなど、この時から考えていました。』
帰国後は日本全国でギーセンの焙煎機を持っている知り合いを頼りに、様々な機種のギーセンを貸してもらい、トライアンドエラーを繰り返し、情報を取るために勉強会にも積極的に参加するようにしていたそうです。
そんな中、仲村さんにとって自分が目指すべき味の方向性が決まった瞬間がありました。『WCRC2017の世界焙煎チャンピオンであるイタリアのルーベンス氏の焙煎豆を譲り受け、カップをしてみた時に、ものすごく「クリーンカップ」でネガティヴなものを何も感じなかったんです。こんなクリーンカップなコーヒーがあるのか!と驚きました。これが世界大会で勝つ要素、答えなんじゃないかと思い、そこからはクリーンカップを作るためにどうすればいいのかということを念頭にトライアンドエラーをひたすら繰り返しました。』

②ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ ”JCRC2018”に出場

次に、2018年度のジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ(JCRC)に参加した際の心境についてと続きます。
仲村さんは2017年の優勝者ですので、当初運営側にまわるか、選手としてチャレンジするかで迷っていたそうですが、焙煎競技会の経験を積むために選手としてチャレンジする事を決意しました。この選択が結果として大正解。予選は通過しましたが、なんと決勝戦で致命的なミスをしてしまいました。この決勝戦での様々なミスを世界大会でしないよう、気持ちを切り替えて準備を進めていきました。
『世界大会に向けて課題を徹底的に潰していき、特に欠点豆が無い状態で焙煎することが重要であることから、欠点豆をカテゴリ分けする練習に力を入れました。良い豆に敢えて悪豆の欠点を転嫁し、時間内で分類できるよう、本番前のイタリアのホテルでもずっと練習し続けていました。』
また、大会で使用するギーセンの焙煎機を持っていない仲村さんは、それをハンディとせず、全国のギーセンを保有している店舗と交渉し、様々なタイプのギーセンの焙煎機を貸してもらいながら練習をしていきました。しかし、それが仲村さんの最大の強みに。
『様々な場所で練習をすることで、同じギーセンでも、年代による機器、温度や湿度など設置環境など様々なシチュエーションによる違いが経験でき、これこそが強みになりました』と少しずつおぼろげながらもプロセスが形になったと語っていました。
そして大会の1ヶ月前、12月に最新のギーセンの機種を導入した店舗が東京にあると聞き、練習に行かせてもらったところ、今まで積み重ねてきたものが振り出しに戻るような状況となり、一瞬パニックに陥ったそうです。そして、2019年の年始早々、イタリア出国2日前にもう一度練習に東京を訪れた仲村さん。仲村さんを応援する練習仲間も集まってくれ、朝から晩まで仮説を検証し直し、理論の組み立て直しを一つ一つ行いました。
『出発間際にようやく納得できるものが出来て、最新のギーセンも触ることができ、かつ目指す方向性の味が自分の中に明確になったというのが大きな自身に繋がりました。』

イタリア大会をふりかえって “WORLD COFFEE ROASTING CHAMPIONSHIP2018”

2018年準優勝を果たした仲村さん、焙煎世界大会において日本代表のサポートをしている三神亮さん、そして同大会2013年優勝の後藤直紀さん(豆香洞コーヒー)も登壇し、3人でイタリア大会について振り返って頂きました。

三神さん:『何年も世界大会のコーチングをしてきて感じることは、大会で評価点が高い焙煎のレンジ(幅)があることです。それを分析しながら年を追うごとに策定していく、その安全域にいかに入るかっていうところが一番重要です。そのレンジが外れてしまうとそもそも評価軸に乗っからないのでまずは私自身がレンジを把握することが重要で、それを把握した後にそのレンジを競技者である日本代表の方にお伝えするというメカニズムが必要でした。』

仲村さんが日本代表になり、三神さんによるコーチングが始まった当初、仲村さんの焙煎は「深煎り」寄りだったそうです。そこから毎月、仲村さんの焙煎豆に対して三神さんから客観的な意見をもらいながら、トライアンドエラーを繰り返していきました。

仲村さん:『毎月20種類ぐらい焙煎して、それを半ば強制的に三神さんに送って、フィードバックをもらって次回どういう風にするかいうような擦り合わせを続けました。僕がトライした事、変な焙煎したものもすべて飲んで頂き、これがこうだから良くない、こうだから良い、というような客観的な目線での意見を頂いていました。とても根気のいる作業だったと思います。』

大会1か月前の12月にギーセン(Giesen)の最新モデルで練習した時は、三神さんも心配のあまり駆けつけてくれましたが、最新のギーセン(Giesen)を使用した時に、「振り出しに戻ってしまった感覚」は、 ”最新モデルで何かしらの仕様が変わっているから、豆に対するエネルギーの入り方が確実に違う” はずなのですが、明確な理由がわかりませんでした。しかし、この違いに気づけたのは大会本番に向けてラッキーだったそうです。
そして大会直前にも実施した、最新モデルでの最後の最後の練習で、仲村さん同様に三神さんも『確信がもてた』と。

後藤さん:『仲村さんは大会に出るにあたって、焙煎機を借りるなど日本全国のいろんな方に協力してもらっていますが、元々のつながりとか、それとも”俺がチャンピオンだぞ”みたいな感じでゴリ押しでいったとかそういうのはありますか?(笑)』

仲村さん:『そうですね、知り合いが知り合いを呼ぶというか、そもそも前年度の世界大会に出場した近藤啓さんが練習しているところに加わって、近藤さんがやって来ていることを見てきたことが大きいです。そして、近藤さんと繋がっている仲間でギーセンを持っている人に練習させてもらえるようにお願いをして、どんどん繋がりを作りました。
ありがたいことに、このパナソニックの「The Roast」の繋がりも大きいです。後藤さんとの出会いもそうですし、本日も全国から駆け付けてくれた歴代の焙煎日本チャンピオンの方々との深い繋がりもできました。特に、この応援Tシャツは、背中に皆さんのお名前を入れさせてもらって想いがつまったデザインになっています。また、昨年の「Panasonic100周年」のイベントに登壇させて頂いて、お客さんとして参加されていた「ソーシャル グッド ロースターズ千代田」の方とも繋がりができ、会話をしていたところ、「最新のギーセン(Giesen)を持っている」ということで最後の練習をさせてもらったことも大きいです。』

後藤さん:『焙煎は競技中こそ一人ですが、事前にたくさんの準備が必要で、いろんな人の協力が必要不可欠です。世界で戦っていくとなるとチーム戦みたいな感じのものが大切で、今回仲村さんを見ていると良いサポート体制ができているなと感じました。』

仲村さん:『競技会では、トラブルがつきものです。運営の都合で突然ルールが変更になったりもしました。例えば、通常であれば大会の前日に1時間の練習時間をもらって、釜の特性や熱の入り方を掴み、味をとってみて初めて「この釜はこういう味なのか」と分かるのですが、今回は事前の試飲をすることが出来なかったんです。幸いなことに、日本でさんざん色々なギーセンで練習していたので、味をとらなくても釜の特性を把握することが出来ました。その他、色々なハプニングがありましたが、大会のプロの三神さんにフォローしてもらいながらなんとか乗り切ることができました。トラブルやハプニングに対してどれだけ平常心で対処できるかという対応力が重要だと感じました。』

後藤さん:『焙煎中は迷っている様子とかはなくて淡々とミッションをこなしていましたよね。僕たちオーディエンスみんなで競技者のカップをブラインドで飲んだときに1つだけ方向性の違うものがあって。事前に仲村さんのブレンドの配合だけ聞いていましたが、それが結構変わった方向性のものだったので、「これ、仲村さんのじゃない?1位か2位だね」ってオーディエンスの皆で話していたんです。それが本当に仲村さんのカップだったかどうかはわからないですけど、意志がはっきりわかるコーヒーの味でした。仲村さんよりも僕たちのほうが先に競技者の方々のカップを飲ませてもらって、先に手応えを感じていました。』

仲村さん:『僕は次の日、審査前に初めて飲んだのですが、「これで負けるならしょうがないだろうな」って思っていました。でも僕のカップが1つだけ方向性が違っていたので、流行りを間違えたかなっていう不安もありました。』

後藤さん:『準優勝の発表の瞬間はどんな気持ちでしたか?』

仲村さん:『世界大会までの長い期間やってきた事が、僕一人でなく色んな人が関わってくれていましたから、本当に嬉しかったです。
自分自身のやってきた方向が間違っていなかったとホッとしました。世界に通用すると実感できました。』

“WORLD COFFEE ROASTING CHAMPIONSHIP2019”へとつなぐバトン

2017年度JCRC優勝者仲村さんの世界大会が終わり、次年度の世界大会本番に向けて着々と準備を進めているのが、2018年JCRC優勝者の井田浩司さん(ROKUME COFFEE)です。
今回のイベントには、全国各地から歴代の焙煎チャンピオンの皆さんが駆けつけ、仲村さんの偉業を祝うとともに、次期挑戦者である井田さんにエールを送って締めくくりました。
これからも、世界に挑戦する焙煎士の姿に注目し、応援していきたいと思います。