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Interview

井田 浩司(焙煎士)焙煎世界大会を終えて(前編)

2020年01月17日

11月に台湾で行われた焙煎競技の世界大会(WCRC2019)に挑んだ日本代表の井田さん。大会が終わった翌日にインタビューに応じてくれました。競技の振り返りや今後の事について、また次にこの競技に挑戦する方へのアドバイスなども語っていただきました。

後藤直紀

Naoki Goto

焙煎日本代表の井田さんに世界大会について聞きました

 

今回井田さんとの対談は「崋山1914文化創意産業園区」という所で行いました。

日本統治時代の古い建物(元は酒造メーカーの工場だったとか)がリノベーションされて商業・文化施設として使われています。とても素敵な空間で、若者や観光客に人気のスポットのようです。

 

 

後藤直紀(豆香洞コーヒー代表・焙煎士。世界大会は毎年ウォッチしている。自身も代表やコーチとして参加した経歴あり。今回は日本チームのサポーターとして観戦。以下、後藤)

井田浩司さん(ロクメイコーヒー代表・焙煎士。2018年焙煎日本チャンピオン。台北で行われた「World Coffee Roasting Championship2019」に日本代表として参加。 以下、敬称略)

 

大会を終えて

後藤:4日間の競技が終わりました。本当にお疲れ様でした。

井田:終わりましたね。あっという間でした。応援ありがとうございました。

後藤:昨晩というか、今朝というか、色々とお話しさせていただいたのですが(※実はこのインタビューの前に徹夜で語り合っておりました。その話は後ほど)、あらためて今大会の事を聞かせてもらえますでしょうか。

井田:はい

 後藤:世界大会への挑戦は今回が初めてですよね。振り返ってみて感想はいかがですか。

井田:そうですね、まあ思っていたよりはあんまり何も起こらなかったな、と。なんかすごいルールの変更とか、どうしようもないトラブルとかは無くて。機械トラブルとかはあったけど、全然ね。二時間押したくらいだけだし。普通に、リラックスして出来たんで楽しかったです。

後藤:楽しかったって(笑)。はたから見ていると「これは大変だな」ってくらいルール変わってるし、結構大きなトラブルもあったように見えたのですが。。。

(競技中焙煎機が故障して使えなくなるトラブルが)

 

井田:まあ、そうなんですけど。世界大会の大変さとか難しさについては後藤さんとか、過去のチャンピオンからも色々と聞いていたし。ある程度の事は想定して、それに対する備えもしていたので。色々あったけど、全部想定の範囲内ではありました。

後藤:たしかに、今までの大会に比べればずいぶんまともというか、いつものあのカオスな感じはそこまで無かったような。

井田:そうですね。今回は運営もきっちりとしていたし、選手としてはやりやすかったです。

 

結果について

後藤:今回の結果についてはどうですか。たしか13位ですよね。

井田:はい13位です。どれくらい(上と)離れているかがまだ分からないのであれですが、まあでも、優勝できんかったな、という事に関しては納得していて。

後藤:納得ですか。

井田:はい。優勝以外はあんまり、どこでも一緒だと思っていたので。優勝できないような実力だったんだなと思いましたね。自分が、まだ、いろんな意味で。

 

埋めていける余地

後藤:そうですか。。もっとこうすれば良かったとか、上位との差を埋めていけそうな余地みたいなものはありましたか?

井田:それは、めちゃめちゃありましたね!

後藤:そうなんですね。具体的には?

井田:ここ、絶対見とかないかんなという所は色々とあったし、、。

あとは、なんでもその「素の情報を信用したらいかん」な、とか。例えばカラーなんて、数値出てるけどこれ合ってるの?本当やったらこうなんやないの?とか。(※カラー計測器の個体差の問題)

生豆もそうですね。「ナチュラル」と言って生豆渡されたけど、これナチュラルなん?ウォッシュトっぽいけどなあ、とか思っていて。(※課題豆の情報が一部間違って伝えられていた問題)

後藤:それってその場で聞いたらダメなんですか。

井田:いや、聞けば教えてくれるとは思うんですが、その時は与えられた情報の方が正しいと思い込んでいたので。

後藤:そう思う方が自然ですよね。日本の大会だったらあり得ない事ばかりですし。

井田:ですね。でも、やっぱり与えられた情報をうのみにしたらいけなかったです。少しでもおかしいと感じた時に運営の人に声をかけたり、状況次第ではその場で強く言えないといけないとか。そのへんはもっと出来たと思います。

 

「自分の感覚を無視してしまった」

 井田:あと、情報に合わせて自分の感覚を無視してしまったような所があったので、それも良くなかった。

後藤:感覚よりも知識、情報を信用しすぎた?

井田:そうなんですよね。。。

(ブレンドを焙煎中の井田さん。この時伝えられていた生豆の情報が実は間違っていた・・)

井田:とくに生豆はなぁ、、、。これが全然違うプロファイルになってしまうんですよね、、ウォッシュトとナチュラルだったら。デベロップからなにから変わるから、、。

あとから「実はウォッシュトでした」って言われたら、まあ、それだったらこういう感じになっちゃうよね、という納得感もあります。

後藤:今思えばあれはそういう事だったんだな、と思い当たる事があった。

井田:そうですね

 

井田:あと僕の場合は生豆からの情報をもっと見れるようにしないといけないですね。競技後に「今回のシングルの課題豆は〇〇でした」という発表があって、言われてみれば確かにあそこの豆のあの特徴があったな、とかその時に思ってて。

先に分かったところでどうにもならない事もあるとは思うんですが、生豆を見た時点である程度オリジンを絞り込めるくらいにはなってないといかんのかなと。

後藤:JCQAの生豆鑑定士の試験みたいですね(笑)。でも、シングルの課題豆の詳細を教えてもらえないというのは今回が初めてだと思うんですが。

井田:そうですね。なんで教えてくれないんでしょうね。デブリーフィング(競技後の振り返り)の時にその意図を聞こうと思ってたんだけど、忘れてしまった。

後藤:ブレンド用の方は先に詳細発表していますよね。

井田:はい。

後藤:一部「嘘」が混じっていますけど。

井田:ははは、そうですね。間違っている情報もありますけど、一応は教えてもらっています。シングルは全然、なにも。そういえば練習豆も教えてもらってないや。

後藤:今回はバックヤードでも本番用の豆が誰にも詳細が分からないような状態で保管されていたみたいです。だからやっぱり意図的に情報を制限しているんでしょうね。

井田:そうなんですね。。なんでやろ。生豆をちゃんと見て判断する力を試しているんですかね。・・・それが何につながるのかは、今のところ僕はちょっと分かってないですけど。

後藤:シングルは生豆鑑定のテストもあるので、課題豆の出どころや詳細を選手が知っていたり調べたりされるとまずいのかな。

井田:なるほど。逆にブレンドの方は生豆鑑定がないので、先に情報を渡して問題ないのかも。

後藤:そのやり方の方が正しいと言えば正しいので、来年以降もシングルの素性は隠してくるかもしれませんね。

井田:可能性は高いですね。やっぱり生豆の勉強をしとかんと(笑)。

 

冷静に状況を分析する井田さん

焙煎競技は拘束時間が長く、その間ずっと色々な事を考え続けないといけないため、体も頭もとても疲れます。終わった直後は「もう何も考えたくない!」となっていてもおかしくないくらいなのに、ここまで冷静に競技全体の事が見えていて、自分自身の競技内容を客観的に評価出来ているのはすごいと思いました。

つづく「後編」では次の競技者に向けてのアドバイスをいただきたいと思います。

つづく