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Interview

cafenoma
コーヒ―からひもとく、
私たちのコンフォートゾーン

2020年05月25日

 

空間デザイナーの弓庭暢香さん、クリエイティブ・ディレクターであり、AKATITI編集長でもある刈込隆二さんから成る夫婦ユニット、〈cafenoma〉(カフェノマ)。インスタグラムに投稿した「コーヒーのある生活」をテーマとした写真が国内外で評判となり、11万人以上のフォロワーを持つほか、オリジナルプロダクツの開発や空間プロデュースなど、幅広い活動を展開しています。「おうちコーヒー」を楽しむ二人に、コーヒーと生活の関係性について聞きました。

コーヒーをおいしく飲みたいからこそ、理想の空間をつくりたい

ユニット名の〈cafenoma〉の「ma(ま)」は、「間(ま)」のこと。「コーヒーのある空間」をイメージして名付けられた。インスタグラムではコーヒーのある心地良い毎日がつづられている。
https://www.instagram.com/cafe_no_ma/

 

―〈cafenoma〉のコンセプトは「Time with a cup of coffee」。コーヒーが日々の生活にもたらす可能性について、どのように考えていますか?

弓庭:私にとって、コーヒーは時間の流れを変えてくれる小さなスイッチのような存在なんです。私がコーヒーを飲みたくなるのは、ちょっとひと息つきたいときだったり、気分を切り替えたいとき。ですから、忙しいときほど丁寧にコーヒー豆を挽いたりするんです。そうして淹れたコーヒーを飲みながら窓の外の景色を眺めていると、気持ちがほどけてくるんです。

こんなふうにコーヒーとともにあるひとときを家で過ごすなら、その空間は、快適で、居心地良くあってほしい。コーヒーを飲みたくなる環境をつくることは、生活を整えていくモチベーションにもなると感じています。もしも家の中が雑然としていたら、外に出かけてお店で飲んだほうがきっとおいしいと思うんです。私たちは、コーヒーが大好き。だけど、それよりも、自分たちが気持ち良く過ごせる空間のあり方に興味があります。

壁に飾られている絵は、弓庭さんが描いたもの。これまでに訪れた海外のカフェをモチーフにして、弓庭さんの理想の空間が描かれている。「旅先で自分のお気に入りのテイストを見つけるたび、どんなふうに自宅に取り入れようかと考える時間も好きでした」(弓庭さん)。

 

―インスタグラムからも、そうした思いが伝わってきます。

弓庭:家で過ごすことが本当に好きなんです。私は前職で客室乗務員をしていたのですが、自分の家にいられるのは月の半分ほどといった生活が長く続いていたんですね。その反動もあるのか、せっかく自分が大好きな家で過ごせるのだから、心からリラックスできて、自分自身を喜ばせてあげられる空間にしたいと思っているんです。

空間づくりで参考にしているのは、仕事先で出合った建物やお店。これまでに見てきたもの、好きなものなど、頭のなかにいつしか蓄積されてきたものがベースになっています。街でいうなら、パリなどの華やかな都会よりも、アムステルダムやユトレヒトのような、落ち着いた雰囲気が好きなんです。

「好きな色はグレー。上品で、洗練されていて、ほかの色とも相性が良い。インテリアに使うと、空間がやわらかで落ち着いた雰囲気になります」(弓庭さん)。

 

その土地に暮らす人びとが、どんなふうに日々を過ごしているのかにも興味があります。あるとき、仕事で訪れたヨーロッパの街を散歩していたとき、レンガ造りの集合住宅があったんです。早朝だったのですが、たくさん並ぶ窓に一つだけ、ぽつんと灯りがついていて、その部屋に住むおばあちゃんが窓辺でのんびりとコーヒーを飲んでいるところを見かけたことがありました。何げない日常にあるコーヒーの時間が、すごくいいなあと思ったりして。こうしたシーンも、〈cafenoma〉のイメージソースになっています。

cafenoma〉のお気に入りである19世紀後半を代表するデンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイの画集。作品に描かれる「静かな生活感」は、〈cafenoma〉の世界観にも通じている。

 

―コーヒーを味わうだけでなく、コーヒーとともにある時間や環境を大切にしているのですね。

弓庭:たしかにそうですね。振り返ってみると、私が両親から受けた影響も大きいかもしれません。私が幼かった頃、両親はいつも朝食のあとにリビングでコーヒーを飲んでいたんです。二人は特に何を話すわけでもなく、おだやかで、静かな時間が流れていて、その様子が子ども心にとても印象的でした。私もデミタスカップにコーヒーを分けてもらい、お砂糖とミルクをたっぷり入れてもらって飲んだりして。それがすごく嬉しくて、楽しくて。私のコーヒーの原体験でもあります。

大人になってからは、コーヒー周りの道具を集めることが趣味になりました。フライト先でカフェを巡ったり、道具を探したりすることが何よりの楽しみだったんです。コーヒーの道具は、眺めているだけでも幸せな気分になれるんです。

 

―「コーヒーを楽しむ」というと、味わうという行為を一番に思い浮かべます。弓庭さんにとってのコーヒー道具のように、コーヒーには実にいろいろな楽しみ方があるんですね。

弓庭:コーヒーにまつわるものごとのなかで、自分なりの「好き」を見つけて、そこから広げていくことも楽しいと思います。私自身も道具を入口にして、コーヒーにますます夢中になりました。

木とガラスのコントラストが印象的なiwakiのウォータードリップサーバー。点滴のように水が1滴ずつ落ち、ゆっくりと時間をかけてコーヒーが抽出される。「サーバーに落ちるぽちゃんというコーヒーのしずくの音も気持ちいいんです」(弓庭さん)。

 

刈込:それは僕も同じですね。僕はもともとカメラが趣味だったのですが、彼女が持っていたコーヒーの道具を撮影し始めたことがきっかけでコーヒーのことを知りたいと思うようになったんです。それまでは、コーヒーは飲めればいいという感じで、全自動のコーヒーメーカーで淹れていましたし。いまでは考えられませんが(笑)。

弓庭:実は、私も以前はコーヒーの淹れ方に強いこだわりがあったわけではなかったんですよ。でも、マキネッタをきっかけに変わったんです。マキネッタは自分が持っていた道具のなかでもお気に入りのひとつだったのですが、これを使いこなすことは、自分には難しそうだなあと思っていたんです。あるとき、家に遊びに来た友人にマキネッタを使って淹れたカフェオレを出したら、「お店の味よりもずっとおいしい!」と、すごく喜んでくれて。このひとことが本当に嬉しかったんです。そこからもっとおいしいコーヒーを淹れられるようになりたいと思うようになりました。

弓庭さんがますますコーヒーに夢中になるきっかけとなったコーヒー道具、マキネッタ。

 

おうちコーヒーの特権は、自由に自分の「好き」を追求できること

 

―普段からいろいろなコーヒーの飲み方を楽しまれていると思いますが、お気に入りは?

弓庭:暑い季節なら、水出しコーヒーがいいですね。できあがるまでに時間がかかるので、夜にセットしておいたり。翌朝、起きることが楽しみになります。

夏にはコーヒーゼリーもよくつくります。コーヒーは液体の状態だと、すぐに飲み込んでしまって味がよくわからないということもあると思うのですが、ゼリーにすればそんなことはありません。ゼリーは、コーヒーの味を楽しみたいときにこそおすすめですね。

ときには気分を変えて、コーヒー、カフェオレ、ミルクでトリコロールゼリーに。仕上げにコーヒーシロップをひとまわし。シロップはアイスカフェオレに入れたり、パンケーキに添えてもおいしい。

 

刈込:コーヒーゼリーには、コアントローを少し落とすとおいしいんですよ。コアントローはオレンジのリキュールなので、清々しくてフレッシュな風味になるんです。コーヒーのプロのみなさんからすると「それはないだろう」と思われるかもしれませんが(笑)、自由にコーヒーの味を楽しめることは、おうちコーヒーの特権だと思っています。

ゼリーをつくるときは、コーヒー豆の種類を変えるだけでなく、焙煎の仕方を変えたりもしています。コクと苦みのあるタイプがゼリーに向いていると思っていたのですが、あるときに「The Roast」で浅煎りにして、焙煎したての酸味が残っているものをゼリーにしたところ、すっきりとした味わいになったんです。嬉しい発見でした。

 

―〈cafenoma〉の活動のひとつに、オリジナル商品の開発もあります。シンプルで機能美にあふれたカップやコースターなど、〈cafenoma〉らしさが表れていますね。

刈込:普段から実用的で、美しいものが好きなんです。自宅のカップボードにはたくさんのカップが並んでいるのですが、その中から手にするものは、だいたいいつも同じで。どうしてそれを選んだのかを考えてみると、軽くて、飲み口が薄いものだったんです。これをベースにして、色やフォルム、素材など、自分たちの理想を盛り込みながらつくりました。

弓庭:コースターについては、カップを乗せてもいいし、単体でも使えるものをと考えました。陶器でできたセットのカップアンドソーサーも素敵だけれど、家で使うには折り目が正しすぎるというか、ちょっと緊張してしまって(笑)。木製だったら、陶器同士よりも優しい感じがしますし、何を乗せてもよく似合うんですよ。

cafenoma〉オリジナルカップは、従来のものからボディの厚さや素材にさらにこだわり、20206月、セカンドエディションを発売。木製のコースターは新商品。

 

私は甘いものが好きなこともあって、自分で飲むときもそうですし、誰かに出すときにも、コーヒーにはお菓子を添えたくなるんです。特別なものじゃなくてもいいんです、小さなチョコレートだったり、ドライフルーツだったり……。普段からコースターにはカップを乗せるだけなく、お菓子を乗せて使ったりもしています。

 

―〈cafenoma〉のオリジナルブレンドは、〈ゴルピーコーヒー〉の河合佑哉さんと味づくりをされているそうですね。

刈込:ドリップでもプレスでもおいしく淹れられて、毎日飲んでも飽きずにおいしいと感じられる味わいにしたいとオーダーしました。河合さんにはサンプルをいくつかつくっていただいたのですが、最終的には最高品質のコーヒー豆を使っているものになりました。河合さんいわく、本当は〈ゴルピーコーヒー〉でも出したいそうで……(笑)。おいしいコーヒーの条件には、いろいろあると思うのですが、やはり、新鮮で素材が良いことは外せないのかなと思っています。

「カフェノマ オリジナルブレンド 2020」は、COE(カップ・オブ・エクセレンス)入賞実績を持つブラジルの農園の豆をベースに、スペシャルティコーヒーの代名詞と言えるエチオピアのイルガチェフェをブレンド。淹れたてや飲み始めの熱いうちはマイルドでコーヒー感のある甘み、飲みごろの温度になるにつれて柑橘系のさわやかさや華やかな風味も感じられ、時間の経過を楽しめる味わい。

 

弓庭:それから、味覚は人それぞれで違うので、自分で飲んでみておいしいと感じられるものが一番です。産地や品種、焙煎の仕方など、コーヒーの味は無限なので、自分の好きな味を探す過程もコーヒーの楽しみ方のひとつだと思います。

〈ゴルピーコーヒー〉の河合佑哉さんのもとで、実際に「カフェノマ オリジナルブレンド 2020」を製作したときの様子。

 

―〈cafenoma〉にとって、コーヒーは、どのような存在ですか?

弓庭:自分たちのコンフォートゾーンを探るためのカギのようなものでしょうか。私たちが大好きなコーヒーを飲むときに、どのような空間で、どういうものに囲まれていたいのかを考え、それを実現していくことは、自分たちの「好き」や大切にしていきたいことに対して、あらためて向き合うことでもあるような気がしています。

刈込:もう一つ、コーヒーに関して感じていることがあります。それは、コーヒーという存在には、飲み物としてだけではない魅力があるということです。例えば、雑誌では毎年のようにコーヒーに関する特集が組まれていますが、さまざまな切り口から語られています。コーヒー豆の生産地のこと、喫茶店を営む人びとの思いやそれぞれのライフスタイル、コーヒーの道具について……。コーヒーを軸にしながら、実に豊かなストーリーが生まれ続けています。コーヒーは、どうしてこれほどまでに人びとを引き付けるのだろうか。それを探し続けていきたいと思っています。

 

cafenoma
空間デザイナーである弓庭暢香、クリエイティブ・ディレクターの刈込隆二によるユニット。「コーヒーのある生活」をテーマに、空間・店舗プロデュース、ビジュアルコミュニケーション、オリジナルプロダクツやレシピ開発、接客・サービスのノウハウ提供などを行う。著書に『最高の暮らしを楽しむ住まいのレシピ』(エクスナレッジ)、『うちカフェ 自宅で楽しむ本格コーヒーとカフェインテリア』(マイナビ出版)。

 

取材・文:菅原淳子

この記事で紹介されたモノ

cafenoma

Cup & Coasterセット|MUKU ホワイト + COASTER / round チェリー

4,873円(税込)

カップは、飲み口が薄く、軽くて丈夫な磁器製です。食洗機や電子レンジにも対応し普段遣いのカップとしてお楽しみいただけます。クラフト地の良さ、器としての無垢の表情を最大限のこしたミニマルなカップです。 カフェノマオリジナルコースターは、天然木の良さを生かしたナチュラル仕上げ。木肌のざらつきをほどよく残しながら、水に強いのが特長です。一見スタンダードな形ながら横から見ると逆台形型の浮遊感のあるデザイン。木の優しい温もりを感じつつも、スッキリスマートな印象です。 直径はやや大きめの120mm。コーヒーと共にお菓子を添えて使うのがカフェノマのおすすめスタイルです。もちろん単体で木皿としてもお使いいただけます。樹種チェリーの魅力は、赤みがかった風合い。時間が経つとやや黒ずんで見えることもあります。

  • 【カップ】
  • 素 材 磁器
  • サイズ h59mm x w120 x d95mm
  • 重 さ 約85g
  • 産 地 岐阜県 多治市
  • 【コースター】
  • 素 材 チェリー
  • サイズ 120φ x h8mm
  • 重 さ 約50g

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