
抽出器具
2022年01月16日
自宅で楽しむコーヒーの淹れ方
誰でも手軽にコクのある一杯を。フレンチプレスの特徴と淹れ方
コーヒーの抽出法のひとつ、「フレンチプレス」をご存じでしょうか。
縦に長い透明のポットのような形で、紅茶を淹れるときにも使われると聞くと、ピンとくる方もいるかもしれません。
「フレンチ」と名のつく通り、フランス生まれのこの抽出器具は、日本では紅茶用としておなじみですが、実はコーヒーのために作られました。
見慣れない特別な器具を前にすると、ちょっと難しそうに思えるかもしれませんが、むしろ初心者におすすめなのが、このフレンチプレスです。
お湯にコーヒー粉を一定時間浸したところで、フィルターを押し込み粉とお湯を分離させる。これが基本的な構造で、そのしくみはとてもシンプル。つまり、粉やお湯の量、抽出時間を守れば、レシピ通りのコーヒーの味を再現できると言われています。
コーヒーそのものの味わいを丸ごと楽しめるのも大きな特徴です。
フレンチプレスのフィルターは、金属製。一般的なハンドドリップで使われるペーパーフィルターやネル素材に比べ、メッシュ構造が大きいので、コーヒーがもつ油分やコクがダイレクトに残ります。

ちょっといつもより上質な豆を手に入れたけれど、おいしく抽出できるかちょっと心配。そんなときも、シンプルでテクニックに左右されないフレンチプレスはぴったりです。
ここでは、「BODUM(ボダム)」のフレンチプレスコーヒーメーカーを使った、おいしい淹れ方をご紹介します。
ボダムは、1944年にデンマークのコペンハーゲンで生まれたキッチン雑貨ブランド。北欧らしいスタイリッシュなフォルムと、すぐれた機能性とのグッドバランスは、世界中で愛されています。
レシピ(2杯分)
お湯 | 約300ml | ※ 温度92〜96℃ |
---|---|---|
コーヒー粉 | 20g弱(粗挽き) | ※ 付属のスクープですり切り一杯が7g |
下準備として、空の状態に一度熱湯を注ぎ、器具を温めておくとコーヒーの温度が下がりにくく、よりおいしいコーヒーに。カップも一緒に温めておきましょう。


プランジャー(ふたについたレバー)を引き上げフィルターを取り出し、コーヒー粉を入れます。ここで使うのは、必ず「粗挽き」(ざらめ糖以上の大きさ)です。メッシュが大きいため、コーヒーのなかに微粉末が多く残ってしまいます。


お湯を分量に合わせて注ぎ、ゆっくりとかき混ぜます。

プランジャーを乗せ、このまま4分放置します。このとき、プランジャーは乗せるだけです。レバーを押し下げてしまわないよう気をつけてください。


4分経ったら、蓋をしめ、ゆっくりと静かにプランジャーを押し、フィルターを下げます。コツは、急いで力を込めずに、ゆっくりと下げること。そうすることで、よりおいしいコーヒーになります。

これで完成です。
温めたカップに注いで、コーヒーのもつコクや力強さ、香りを存分に楽しんでください。
もっと軽めの味にしたいときは、粉の量を減らす、またはお湯の温度を少し下げてみてください。反対に、強くしたいときは、粉の量を増やす、もしくはお湯の温度を上げると調整が可能です。今回は、抽出時間を4分にしましたが、こちらもいろいろ試しながら、好みの味を見つけてみてください。
フレンチプレスで淹れるコーヒーは、構造上、どうしてもわずかな微粉が混じりますから、ざらつきが気になる場合は、最後まで注ぎ切らないようにするのがおすすめです。
こうしてみると、意外にも簡単に思えませんか。
「おいしいコーヒー」というゴールはひとつでも、そのプロセスはさまざまです。今日の気分やシーンに合わせて、コーヒー豆の種類や味わいだけでなく、抽出方法も選んでみるのはいかがでしょう。
構成・文/藤沢あかり